勇者は呪われてしまった。

SAD(社会不安障害)という呪いにかかってしまった勇者の日記

読書メモ:他人がこわい―あがり症・内気・社会恐怖の心理学

「これ、フランスの本だよな」 と自問しながら読んだ一冊。これはかなりよかった。

他人がこわい―あがり症・内気・社会恐怖の心理学

他人がこわい―あがり症・内気・社会恐怖の心理学

 

内容としては、社会不安とは何ぞやを概説したという、比較的よくあるフォーマット。ただ、類書(といってもほかに2〜3冊しか読んでないけど)よりも詳細でボリュームもあり、バランスよい本だと思った。

冒頭にも書いたとおり、フランスの本とは思えないほど、社会不安障害に悩む日本人の心に染み渡った。「ああ、わかるわぁ〜、ていうか俺じゃん」という社会不安の事例を読んだ後、「xx歳、エティエンヌ」とか出てくると、「エティエンヌ!!」と、千鳥の「イカ2貫!」ばりの突っ込みが頭なのかで聞こえるくらい。

社会不安障害って、社会的なプレッシャーの強いアジア特有のものという印象もあったけど、フランスでも似たような状況というのは、興味深く、そしてある意味安心した。

ちなみに、(この本執筆時の段階では少なくとも)フランスでは社会不安障害に薬は使えなかったようです。各国状況は様々。筆者は薬には肯定的のようで、薬の認可にぐずっている国内状況にも不満も書いてありました。日本も厳しい方なのかと思ってたけど、比較的よい条件かもしれないですね。

というわけで、薬が使えないという背景もあって、この本では心理療法(行動認知療法)について、わりとしっかり目に説明ありました。なるほど、という点。実際やってみるのはやっぱり怖いかも、という点。ただ、どの本を読んでも薬だけで治るという医者はまだ一人も出会ってないので、基本的には行動を変えなければならなくて、それの裏技というか、お助け薬的にSSRIとか使う感じなのかね。

だいたい概要はつかめてきた(どの本も似たような話)ので、そろそろ行動認知療法とか、次の勉強に進もうか。